寡占

メーカー統合による大規模化と寡占化

昨今の世界的なグローバル化の中で、グローバル競争に勝ち抜くため、様々な業種において経営資源の集中と選択が進んでいます。
その結果企業の合併により大規模企業が誕生し体力のない企業は淘汰される傾向に有ります。

鉄鋼業界

鉄鋼業界では、2012年に新日本製鉄と住友金属工業が合併し新日鉄住金となり2019年4月に日本製鉄に社名を変更。粗鋼生産量に於いては世界第3位の規模となりました。
日本製鉄企業サイト

伸銅業界

伸銅業界では、2019年7月に独ウィ-ランドと米GBCホールディングス(傘下にオーリンブラスとチェースブラスを持つ)が合併を完了。合併により年産規模は70万~80万トンになりました。
これは、日本国内の生産量に匹敵するメーカーが誕生しました。

日刊産業新聞(2019年 4月 15日)

2017年英国ルバタは、銅加工品事業を三菱伸銅へ、銅管事業を中国の浙江海亮に売却。
独KMEは、ヨーロッパでの銅管・黄銅棒事業を浙江海亮に売却しました。

2019年には日本でも、UACJ(アルミ事業)が子会社のUACJ銅管(銅管事業)を民間ファンドと投資会社が運営する特別目的会社へ売却を決めました。
これは旧住友伸銅場の祖業とも言える事業であり、業界からも驚く声が多かったです。
売却先が、民間ファンドのため、将来的には別の会社に売り出す事が想像出できます。

メーカーの統合が進むと、寡占化が進み、価格の柔軟性がそがれてしまいます。
メーカー間で適正利潤は取りながら競争をしてもらい、自社だけでなく業界の発展のために知恵を出していって欲しいと思います。

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