海外在庫

LME銅在庫急増「影の在庫」

LME銅在庫が2営業日続けて急増した。現地20日に前日比+38,700㌧、21日に同+32,450㌧と跳ね上がった。
今回の在庫急増の要因は不明も、2019年には1営業日で3万~4万トン跳ね上がる不可解な動きが頻発。アルミ等他のベースメタルでも在庫の急増減が散見された。一方で相場とは連動薄の場面も見受けられた。
LME指定の倉庫会社は、LME規格に準じた商品が搬入されると、LMEワラント(倉荷証券)を発行する。一方で同じ倉庫内にはLMEワラント以外の商品も混在し、一緒に保管される。
LME在庫は保管料が高く、以外の商品として保管すれば利用者は保管料を節減出来ると言う。一部の倉庫業者が自社倉庫に商品を呼び込むため独自のサービスを展開し始めたと言われる。
この結果「影の在庫」が、書類上の手続きだけで、突然大量にLME在庫として出現するようになったのではないか。

<日刊産業新聞 2020.1.24より>

相場への影響は?

1月14日の日刊産業新聞にも「影の在庫」の記事が出ており、その後に急増している事から実際に行われている事と考えられる。
2019年調べると急増が9回発生。その後の相場は大きな変動は見られていない。
この事からすると、影の在庫が与える相場への影響は少ないのかもしれないが、新型コロナウイルス流行が世界経済に悪影響を及ぼしそうなタイミングと重なると、銅相場に下げの影響がでるのではないでしょうか。
相場の格言「まだはもうなり、もうはまだなり」

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